特長

・ガルバニ式、ポーラロ式酸素センサーに比べ応答速度が速いです。
・ジルコニア式酸素センサーの寿命は、ガルバニ式、ポーラロ式酸素センサーに比べると長寿命なことが特長です。
・CO2ガスの影響を受けません。

測定原理

ジルコニア式酸素センサー測定原理

高熱に加熱されたジルコニアは、2つの大きな特長があります。

【1】ジルコニアの隔壁の両側に酸素分圧があると、この分圧差に応じた起電力が発生します。(酸素濃淡電池)

ジルコニア式酸素センサー測定原理

【2】ジルコニア隔壁に電流を流すと電流の向きと逆方向に酸素分子が移動します。(酸素ポンプ)

ジルコニア式酸素センサー測定原理

弊社のジルコニア式酸素センサーは、2つのジルコニア素子を用いて、上記【1】【2】のジルコニア素子の特性を組み合わせて酸素を測定しています。

ジルコニア式酸素センサー構造

左図の[2室]は、ジルコニア[2]に電流を流すことにより、[1]室より酸素が供給され、[2]室は100%O2の雰囲気になります。
(ただし、[2]室は非常に小さな室で極微量のO2供給で100%O2となるため、このO2移動により2の室の酸素濃度はほとんど濃度変化を起こしません。)

[2]室は100%O2であり、電極C-D間には[2]室と[1]室の酸素濃度差に対応した起電力が発生します。このC-D間の電圧が450mV、[1]室の濃度が0%O2)となるようにA-B間に電流(Ip)を流し、[1]室からジルコニア[1]を通して外部へ酸素を放出します。

[1]室の酸素濃度が0%O2であるので、[1]室と外側雰囲気との間に酸素濃度差があると、ガス拡散口を通して同一の濃度となるように、酸素がガス拡散口より1の室へ拡散します。
この拡散する酸素の量は、外側雰囲気の酸素濃度に比例します。

ガス拡散口を通して拡散した酸素は、ジルコニア[1]を介して全て放出されます。すなわち、Ipの電流値とガス拡散口よりの流入酸素とは等価になり、Ipの電流値は外側雰囲気の酸素濃度に比例することになります。 

<ウィークポイント>
・可燃性ガス(アルコールなど)が共存している場合、センサー部で燃焼反応が生じ、指示値が低めに出る場合があります。(ただし、センサーが劣化することはありません。)
・腐食性ガス(H、HF、CI2、SO2、H2S等)、被毒性物質(Si、Pb、P、Zn、Sn、As等)が含まれていますとセンサーが短期間に劣化する恐れがあります。

一般的なジルコニア式酸素センサーの弱点

1. ゼロ点がずれる。
一般のジルコニア式酸素センサーは、大気の酸素濃度を基準に濃淡電池を形成しています。つまりゼロガス(N2)でスパン出力基準を調整しています。よって経時変化によってゼロ点がずれることがあるのです。

2. 定期的に2点校正が必要。
一般のジルコニア式酸素センサーは、大気の酸素濃度でゼロ出力基準、ゼロガスでスパン出力基準になっています。当然経時的なドリフトがありますので、定期的に2点校正が必要になります。

3. 暖機運転が必要。
ガルバニ式やポーラロ式と違ってジルコニア素子を暖める暖機運転が必要です。他社製品では10~20分程度必要です。

4. センサ交換時はメーカーに送り返す必要がある。
一般的なジルコニア式センサーは、センサー交換時に本体をメーカーに送ってセンサー交換する必要があります。修理対応のように、2週間から4週間程度かかります。

弊社の対策

1. ゼロ点がずれない。
測定ガスを検出する[1]室はジルコニア[1]が[1]室内の酸素濃度が0%O2になるよう電極を流しています。したがって、[1]室の酸素濃度は常にゼロになり、ゼロガスを流しても[1]室に酸素分子の移動がないため、出力はゼロになります。そのためゼロ点は長期間ずれないのです。

2. 校正は大気校正1点だけで良い。

前述の通り、ゼロ点は常に安定していますので、校正は大気1点だけでよいのです。

3. 暖機運転時間が短い。
弊社のジルコニア素子は、他社で使われている物よりも小さいです。したがってジルコニア素子が測定温度に達するまでの時間(暖機運転時間)も3分で済みます。

4. お客様でセンサー交換が可能。
弊社ジルコニア式センサーはセンサー交換作業がとても簡単ですので、お客様でも交換できます。(センサー交換時間約10分)
交換用センサーは即納で対応致しております。

ジルコニア式酸素センサー採用製品

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